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週刊卍 2001

 

ジョージ・ハリスン追悼 愛染恭介 2001年12月14日

小学生の頃からビートルズ好きだった私にとって、ジョージの死は親戚の叔父が死んだようなもの。三人目のビートル、ジョージは時にビートルズサウンドに青い空気感を醸し出し、それは初期の12弦リッケンバッカーであり、ジョンのバックでポールとハモるコーラスだったりする。

ジョンとポールのボーカルが際立つ中、それでも初期BBC放送用収録のカバーもの数曲でのジョージの歌は二人に負けず劣らず健闘している。また、なんやかんや言っても、楽曲が光っているのは「リボルバー」の TAXMAN や I WANT TO TELL YOU や「アビーロード」の SOMETHING, HERE COMES THE SUN などだと思う。 (が、そこにはポールの恐ろしくかっこいいベースフレーズがあったことは見逃せない)バングラデシュコンサートのピート・ハムとの HERE COMES THE SUN の演奏も名演だった。

そして、なんと言ってもプレイヤーとして過小評価(?)されているのがジョージのスライドギター!ジョージのスライドは唯一無比。ジョンのソロアルバム「イマジン」の GIVE ME SOME TRUTH のスライドソロ、これは彼以外には弾けないぶっ飛びスライド。合掌。


生田追記

ジョージの曲は日本版の「ミ−トザ ビートルズ」に入っていた DON'T BOTHER ME から聞き続けてたっす。恭介の挙げている曲のほかに生田は「ラバーソール」の IF I NEEDED SOMEONE とか「ホワイトアルバム」の LONG LONG LONG、「イエローサブマリン」の BLUE JAY WAY とか好きだな〜。

一般には出回って無いけど、アコギ一本で歌っている WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS の切なさも捨てがたいな。「アビーロード」A面の最後の I WANT YOU の怒濤のループが突然途切れた後、まだドキドキしながらアルバムをひっくり返してから聞こえてくる HERE COMES THE SUN のイントロの爽やかなギターに春の日差しのような温もりを感じたのは僕だけだろうか?恭介も強調している GIVE ME SOMME TRUTH のスライドに関してはほんとに同感です。

香港は燃えているか?DIZZIDENZA CONCERT 2001年12月7日

 今年6月生田も招聘されたコンサートの紹介をしたい。「血の日曜日」から12周
年が経ち、97年に中国へ返還され、まして経済状況が思わしく無い中で、政治意識
が薄れ天安門事件の風化が始まっているとマスコミ各社は報道していた。
 そんな中で、息長く民主化運動に関わってきたロックバンド、ブラックバードのリー
ダー、郭達年(レニー・グオ)は、今回はフィリピン、台湾、そして日本と、アジア
各地の草の根アーティストを呼んでのやや規模の大きなライブを企画した。また、そ
れに呼応して、中国に返還されたばかりのマカオのグループも、そのメンバーのまま
マカオでの公演を行うこととなった。
 生田も正直言って、自治意識の風化は相当進んでいるのではないかと懸念していた。
しかし、街角を見る限りでは「一国二制度」の看板は辛うじて守られているようで、
プラカードを掲げた繁華街の角ごとの法輪功の座り込みや、グリーンピースの署名活
動などがみられた。
 今回のコンサートの名はDIZZIDENZA 。おそらく英語のdissidence「異義申し立て」
「体制批判」からの造語であろう。(ひょっとしたらポルトガル語?)ブラックバー
ドは既に解散したが、レニーは精力的に活動を続けており、企画、資金繰り、当局と
の交渉、海外との連絡などをほぼ一人でカバーしていた。
 エストラーダを引きずり下ろした余韻覚めやらぬフィリピンからのゲストは、フィ
リピンオルタナを代表する顔の一人、ノエル・カバンゴン。筆者とも交流の深い実力
派で、数々のメジャーの誘いを断り、インディーズから新作CDをリリースしたばかり。
台湾からは台湾在住のアメリカ人の女性シンガー、ニコル・ダーシー。中国語と英語
の両方で歌う彼女はかつて留学先だった中国から追放された経歴をもつ。日本からは
生田が呼ばれたが、返還前にブラックバードのアルバムに参加して以来、緊密な交流
を続けてきた。香港では四回目のライブである。また、オムニバスCDなどへも参加さ
せて貰っている。(小額ながら印税の払い込みもある!)
 6月2日マカオでのライブは海外ゲストと郭達年によるシンプルな構成で、会場は
小さなダンススタジオ。客は若い人を中心に5、60人といったところで、香港より
反応はおとなしいが良い内容であった。
 翌日香港の中心部に有る天体博物館にて、いよいよ本番のライブ。この日は、ダン
スやパーフォーマンス、さらに噪音合作社というパンクバンドや、著明な人権活動家
であるイタリア人エスペランサ神父などなど盛り沢山な内容。結果的にはこれが裏目
に出て後半の出演者の時間が大幅にカットされることにつながったのは残念である。
400人の会場は一杯になっていた。
 中国語が分からないので残念だがエスペランサ神父とレニーによるステージで、会
場は最初のピークを迎える。神父の一言一言に爆笑が起こる。それから、台湾のニコ
ル。彼女はエレキギターの弾き語りで、スタイル的にはビリー・ブラックの影響を感
じさせる。それから、生田はレニーをステージに引っぱりだし、かつての共作を中国
語と日本語で合唱。楽しくステージで盛り上がることができた。しかし、圧巻だった
のはノエル・カバンゴン。変幻自在なギターで、マニラのストリートチルドレンをテー
マにした新曲や連帯歌い上げるレゲエを披露。文字どおり会場を揺るがし、フィリピ
ノオルタナの実力を見せつけてくれた。ノエルの頭の脱毛は相当進んでいてかなりヤ
バかったが、彼のパーフォーマンスにはまさに脱帽。
......................................
..................... このライブは現在香港にてCD化され
つつ有る。なんらかの形でみなさんのお耳に入れば幸いである。
 さて、翌日の香港での天安門追悼集会には約5万人が参加した。事件翌年の参加者
10万人の半数である。この数を多いとみるか、少ないと見るか?さて?
DIZZIDENZA CONCERT

9・11の彼方へ 2001年11月26日

 この国が辛うじて守ってきたものが踏みにじられてゆく日々のなかで、生田も集会
やデモで忙しく歌い歩いている。ジョン・レノンの「イマジン」が街宣車から絶えま
なく流れ、自分でもリクエストに応えて歌いつつも、どうしても違和感を禁じ得なかっ
た。シンプルで雄弁な良い曲である。しかし「今」ではない!ジョンが歌う抽象的な
「平和」はアフガンの砂漠で不条理に果てていく命に届いてはいないのでは?という
もどかしさが心を離れなかった。また、送られてきた友人の近作などを耳にしても、
その感性が、テロ以降矛盾がむき出しになったこの世界にまるでそぐわない感じがし
て聞き続けることすらできなかった。メルローポンティの言葉を借りれば「危機の間
尺に合っていない」のである。

 われわれはどのような感性で、この世界を紡がねばならないのか?どのような言葉
で、平和や人権や愛や欲望を語らねばならないのか?おそらく全ての表現者がいま、
この問に向き合っているに違いない。
 世の中には時代を先取りした作品と言うものがある。安部公房が描いた世界の無気
味さを現に我々が生きているように。時代を真摯に生きる感性が、来るべき危機を予
告し、事実に先んじてしまうと言うような不思議なことも時として起こる、、、と筆
者が強烈に感じた作品がある。アメリカで最も先鋭な発言者、アーニー・ディフラン
コの二枚組の最新作「レヴェリング/レコニング」である。

 「それでもバクテリアはあたし達をやっつけにくる/というのがあたしの予言/そ
れがきっと回答なのよ/付け焼き刃の処方の文化への」(「ガーデン・オブ・シンプ
ル」)まるで現下の炭疽菌騒動を見越したかのような歌にいささかぎょっとする。ま
た、彼女の鋭い社会批評の中に、テロの遠因を内在させるアメリカが描かれる。「私
が大人になったのは/レーガンとブッシュの災いのさなか/資本主義の銃口に民主主
義が倒れていった/〜/力に勝る多国籍企業が/酸素を独占しちゃったので/息をす
るのと同じくらい簡単に/だれでも加担できてしまう/そしてやつらは売り買いし/
空気を山分けする」(「ユア・ネクスト・ボールド・ムーブ」)

 従来の激しいギターのリズムは影を潜め、むしろジャズの要素さえ感じる余裕の有
るサウンドになった。しかし、それがアーニーの生々しい詞の世界にむしろ奥行きと
説得力を与える結果となっている。恋愛の中での喜びと傷。社会に対する憤りや不安。
それがより深く心へと語りかけてくる。ステレオ一発録りか?と思わせるアンビエン
ス感溢れる録音も秀逸。
 アーニーは20歳でデビューして以来、その赤裸々に自分と現実を見据えた歌詞と、
パーカッシブで攻撃的なアコーステックギターで、アメリカンフォークの最前線を走
り抜けてきた。現在に至るもメジャーレーベルに属さず、自前のCDの製作、販売を続
けている。今その彼女が、昨年出たウディ・ガスリー追悼のオムニバスに於いても、
また、ブルース・スプリングスティーンの名盤「ネブラスカ」のカバー集に於いても
主導的な役割を果たし、そしてこの渾身の二枚組を造り出した。彼女のことであるか
ら、戦争一色のアメリカにあってもいささかもひるんではいまい。彼女の感性こそ今、
共有されるべきものと思われてならない。

アーニー・ディフランコ
レヴェリング/レコニング(vicp-61487〜8)

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